「祭」STORY
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宮城県石巻市
“雄勝法印神楽”の神楽師 上山正彦さん。祖父から受け継いだ想いをさらに次世代へつなげるため、若者が神楽を舞う機会作りに励んでいます。
「大切な伝統を絶やさないために、自分の“舞”を通して未来につないでいきたい」
“伝説の神楽師”である祖父の背中を追いかけ国指定の重要無形文化財である『雄勝法印神楽』を始めた上山さんは日本の郷土芸能の担い手として使命感に溢れる人物。
美しい海、舞い散る桜、輝く神輿、そして力強い神楽の舞。そんな祭を何よりも楽しみにしている住民、そして雄勝町のために上山さんは日々奮闘しています。
約4,300人いた町民は、震災後1,000人程度にまで減少。進む過疎化、それに伴う神社の資金不足などがきっかけで祭礼行事が今まで通りできなくなることが増え、神楽の舞を披露する機会は急激に減っています。
「神楽は五感を使って自分の型を作っていくもの。舞いを見る機会、自分が舞う機会が減ることは後継者育成へのハードルになっています。」
存続が危ぶまれる『雄勝法印神楽』。しかし打開策を見出せず上山さんはジレンマを抱えていました。
「地元で舞うことで600年続いてきたレールを残し、自分がいなくなったときにも舞い続けてくれる人にバトンを渡すことが使命。」
上山さんは仲間と共に、各地の郷土芸能セッションに参加したり、ビデオを作成して発信したりと、外とのつながりを増やす取り組みを積極的に行いました。しかし、神楽の存続という課題の直接的な解決につながっていないのが現状です。雄勝で神楽を舞うという当たり前が、だんだん難しくなっています。
神楽の舞台であり、『雄勝法印神楽』発祥・伝承の宮である葉山神社は、人口減少による参拝客・ご祈祷の減少、地域産業の衰退による寄付の減少により、今後、維持継続が難しくなっていく事が考えられます。
葉山神社に資金を集め、雄勝のそれぞれの浜の祭に分配、活性化するきっかけとなれば、雄勝法印神楽を舞う現場が生まれ、若者たちが神楽の舞いを披露する機会を作ることができます。
歴史を持つ伝統文化である彼らの“舞”を披露する場所を守ることが、失われつつある現状を変えていく希望なのです。
『雄勝法印神楽』は、雄勝の住民の生きがいです。上山さんは、住民の想いを一手に背負う覚悟で、これからも舞い続けます。
「神楽を愛している。雄勝の海が大好き。これを守ることに人生の時間を使っていきたい。」
地元に対する誇りと、地元を心から大切に想うことができたときに、文化が継承されるという循環が生まれると、私たちは信じています。
「感謝の気持ちを土地の一番の魅力と共に届けたい。」
雄勝町は緑息づく山々と美しいリアス式海岸に囲まれた場所で、うにやあわび、ほや、牡蠣、ホタテ等の海の幸に恵まれた土地です。
日本一美しい漁村と呼ばれるこの町で生まれ育った上山さんは、同じく雄勝の海が大好きな漁師・佐藤さんと共に旬の海産物をセットし、返礼品を準備しています。
購入いただいた皆様へ、地元の漁師から新鮮な旬の海産物をご自宅にお届けします。